短歌のないただの日記
2週間前に引っ越してきた。
2週間前、30分に一本しかないバスにのりどんどん山道へと向かう景色を眺めながらこの街についた。
ついた時には真っ暗で、おまけに履いていたパンプスは留め具が壊れて使い物にならなくなった。
大嫌いだと思った。
切れかけのスマートホンでルート検索しようにも目印も何もない街で。人に聞いては違うところを教えられたり、分からないって途方にくれながらなんとかたどり着いた。
お腹空いてて、でももう動く気力なくて、でも探索しなきゃとフラフラ歩いたら自転車屋さんがあって、中古の自転車を買った。
おじさんは街の地図も書いてくれて、ああ、これならこの街を好きになれると思った。
2週間。いろいろあって、今週末にはもうこの街ともお別れする。
大嫌いな街だと思ったし、相変わらず不便だなと思ってばかりだけど、住めば都で大分好きになった。
腰の高さまである雪と一緒に生活することなんて私の人生でもう無いだろうから。貴重な経験をいっぱいさせてもらえた。
あと1週間、頑張ろう。