2014-02-17 星の名前はしらない 天体観測が趣味だといっていた。 一等星と六等星も見分けのつかぬ私に、君は楽しそうに天体の解説をする。 「ほら、あれだよ」 興奮気味に上ずった声とともにあげられた指は夜空のどこを指しているのか見当もつかない。 ただ、楽しそうだと思った。その声を聞いているとじんわりと幸せな気がした。 君の爪は短く切りそろえられていて、真面目なんだろうと勝手に思ってしまう。その短い爪のついた指の動きを私はいつまでも観測していたい 「ほらごらん、あれがシリウスプロキオン」天指すきみの爪は短い